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1216話

一発目の銃弾は、左側から激しく飛んできた。

二発目の銃弾は、右側の林から飛び出してきた。

どちらの弾も低空を激しく飛び、李南方の両脚を狙っていた。

どうやら、羊腸の小道の両側の林に潜んでいた射手たちは、李南方をその場で仕留めるつもりはなく、ただ足を撃って負傷させようとしているだけのようだった。

あるいはむしろ、隋月月が彼の足を撃ち負傷させたいだけなのだ。

彼女はただこの男を生け捕りにして、ゆっくり条件を交渉したいだけなのだろう。

そうでなければ、李南方が撃たれて命を落としたら、荊紅命が国際条約など無視して、最高の現役兵を大量に派遣し、彼女を八つ裂きにするだろう。

だがこの女は考えが甘すぎる。何...