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1095話

仮面を脱ぐ前まで、李南方は緑の葉役に徹し、花夜神を引き立てることに甘んじていた。

その理由は二つ。

一つは、花夜神が天下のどんな男をも喜んで彼女の引き立て役にさせてしまうほどの絶世の美しさを持っていたから。

もう一つは、ある種の大きな達成感があったからだ。

特に、こんなにも愛らしい美女が自分だけのものだと思うと、体内の黒龍が疼き始め、すぐにでも女を押し倒して一日中思う存分楽しみたいという衝動に駆られた。

女というものは、生まれながらにして男の占有欲を刺激するものだ。

幸い李南方は黒龍のように下劣な考えを持っていなかった——下劣になるにしても、人目のない夜更けにだけだ。

それが人間としての最低限...