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105話

週末になると、岳梓童は多くの会社員と同様に、目覚まし時計の煩わしさから解放され、自然に目が覚めるまで眠るのが常だった。

今朝もそうで、小さく唸って目を開けた時には、すでに朝の八時を過ぎていた。窓ガラスを通して差し込む朝日が寝室に降り注ぎ、空中をゆっくりと舞う細かなほこりが見えた。

馴染みの週末の感覚、馴染みの良い夢の余韻。全身が怠く動きたくない。目を閉じて心地よくため息をつき、もう一度甘い夢の続きを見ようとした時、何かを思い出したように感じた。

左足の付け根がどうして痛むのだろう?それに、さっき目を開けた時、ベッドの端が見えたような...私、床に寝ているの?

ビクッと、岳梓童は感電したかのよう...