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1049話

「あと二時間で芒種だ」

常山主任は、自分の上に跨っていた程主任を押しのけ、ベッドから起き上がった。

真っ白な裸体をさらけ出していた程主任は、ちょうど三度目の高まりの最中だったのに夫に押しのけられ、当然機嫌が悪くなった。

色に目がない——この言葉は、決して男だけに使われるものではない。

程主任のような、まさに狂おしい欲望の年頃にある中年美女にこそ、ぴったりなのだ。

たとえここが抗旱弁公室の主任室であっても、彼女は自分のあの高らかな歌声が、開け放たれた窓から抗旱弁公室の中庭全体に漂い、同じく数ヶ月も職場に寝泊まりしている若い職員たちの心に壊滅的なダメージを与...