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1046話

「あの怪物は腐乱死体のような臭いを放っていたけど、岳梓童はあれは人間だと思っていた。

生きた人間。

もし人間でなかったら、あの夜、怪物に犯された時、なぜ恐怖で目を覚ました後に、あの言葉にできない異様な感覚が残ったのだろう?

異様な感覚?

くそっ、正直に言おう、それは快感だった。

何か道具で代用した刺激ではなく、贺兰狐狸が言うような感覚ではなく、生身の男との本物の感触だった。

あれが本当に腐乱死体なら、岳梓童にあんな奇妙な味わいを与えることはできないはず。

だから彼女は、怪物は八割方、生きた人間の成りすましだと確信していた。

残りの二割は、オカルト小説のような超常現象の可能性。

幸い、粉々に砕か...