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94話

「そんなこと言うなよ。俺たちは勉強のために付き合ってるんだから」と男子が答えた。

「うっそー……」

一群の男子たちからはやいのやいの声が上がり、質問した男子は「アシン」と呼ばれる同級生に親指を下に向ける仕草をした。

「お前、正直じゃないな。俺、見たことあるぞ。お前らが出かけた後、クラス委員長が戻ってきたとき髪ぐちゃぐちゃだったの。それでも勉強のために付き合ってるって?」

金髪に染めた男子が笑いながら言った。「さあ、教えろよ。俺たちのクラス委員長はどうなんだ?」

アシンは少し離れたところでバドミントンをしている女の子を見つめながら、もごもごと言った。「実は、俺、彼女のこと結構好きなんだ。思いやり...