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928話

話が終わると、通話は切れた。

「何があったの?姉さんに何かあったって聞こえたけど、深刻なの?!」

本来は欲情に燃えていた二人だったが、この瞬間、緊張と焦りしか感じなくなり、愛し合う気持ちはすっかり消え去っていた。

「叔母さんが転んで、今病院に向かっている途中だ。急いで行こう!」

「うん」

鄭菲も無駄話せず、すぐに小さなバッグを手に取り、趙然と一緒に出る準備をした。

二人がドアのところまで来たとき、同時に立ち止まり振り返った。孫徳がまだ酔いつぶれてここにいたからだ。

「彼はどうする?」

「ああ、菲姉さん、こんな時に構ってられないよ。ここで寝かせておこう!」

「そうね、私たちは会...