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916話

「あいたた、お腹が痛くなってきた?いけない、トイレに行かなきゃ」

そうして、二人は前後してトイレへと向かった。

ドアが閉まった瞬間、趙然が振り返ると、香り高い柔らかな玉のような体が彼の胸に飛び込んできた。

曲線美に富んだ妖艶な体が自分の体に擦り寄せ、くねくねと動くのを感じ、思わず両腕を広げ、抱きしめた柔らかな香りのする体。

顎をわずかに下げ、艶やかな黒髪の小さな頭に顔を埋め、目を細めて深く息を吸い込む。

懐かしい香りが鼻をついて、彼を陶酔させ、夢中にさせた。

「この子ったら、お姉さんに会いたかった?」

鄭菲は声を押し殺して尋ねた。まるでコアラのように趙然にしがみついていた。

彼...