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875話

赵然を連れてバーカウンターまで案内し、陳嵐韻はその一言を残すと、しなやかな美しいシルエットが混雑した人混みの中に消えていった。

退屈だったので、赵然はカクテルを一杯注文し、バーカウンターのハイチェアに腰掛け、ダンスフロアの中央で狂ったように踊り続ける男女を眺めながら、思わず感慨に浸った。

彼が若かった頃は、こんなに奔放に遊んだことはなかった。もっとも、今だって若いのだが。

「何を見てるの?そんなに見入って。どこかの可愛い子に目をつけたんじゃないの?」

赵然が物思いにふけっていると、肩を軽く叩かれた。振り向くと、思わず目を見開いた。

陳嵐韻は先ほどのレザージャケットとジーンズの格好から着替...