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874話

「えっ?あ、ああ、大丈夫よ。先に入っていなさい」

心の中の思いを収め、陳嵐韻は何気なく趙然に一瞥をくれると、少し苛立ちを見せて手を振った。

その様子を見た趙然は慌ててちょこちょこと夜総会へ駆け込んだが、すぐには中に入らず、脇に身を隠して様子を窺っていた。

そのとき、二人のチンピラがついに蝶恋夜総会の入り口に到着し、中に入ろうとしたところを陳嵐韻の冷たい声で制止された。「あたしの店にはお前らみたいな連中はお断りだ。さっさと消えな!」

冷たい声音に断固とした口調、そして陳嵐韻の無表情な美しい顔が相まって、怒らずとも威厳を放つ雰囲気が生まれていた。

二人のチンピラは彼女を知っているようで、一...