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85話

リビングにはテレビの音だけが残り、趙然はもう携帯をいじる気も失せていた。リビングに歩み寄ると、義母が新聞を手に読んでいる姿が目に入った。その表情には少しの不自然さもなかった。

趙然が出てくるのを見て、義母は新聞を置いた。「休めた?」

趙然はうなずいた。義母はまだ入浴しておらず、昼間着ていたワンピースのままで、襟元には汗がにじんでいた。

「お母さん、風邪はよくなった?」

義母は「うん」と一言返した。「だいぶマシになったわ。ただ少し眠いから、先にお風呂に入るわね。あなたも用事があるなら、それに取りかかりなさい」

そう言うと、義母は部屋に戻って着替えを取りに行った。中では趙平が何か言ってい...