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666話

ソファに座っていた夏筱雨はびくりと驚き、体を小さく震わせながら、うつむいてゆっくりと二階へ向かった。

その様子を見て、趙然は気まずそうに笑いながら手をこすり合わせた。「じゃあ李兄、先に上がってもいいですか?」

「ああ、どうぞ」

夏筱雨と趙然が前後して寝室に入り、ドアを閉める様子を見て、李華は何かを思いついたように、そっと二階へ上がり、部屋のドアに耳を当てて盗み聞きを始めた。

彼にはそんな趣味はなかったが、ただ夏筱雨と趙然が実際に行為に及ぶかどうかを確かめたかっただけだ。

部屋の中。

夏筱雨はベッドに座り、趙然は壁に寄りかかって、二人は黙ったまま見つめ合っていた。

一、二分ほど経っ...