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605話

突然、趙然は目を見開き、ソファに向かって早足で駆け寄った。

夏筱雨がソファに横たわり、まったく動かず、顔色は血の気がなく青白かったからだ。

くそっ、この女、まさか本当に自殺でもしたのか?

「夏筱雨!目を覚ませ、大丈夫か?」

言いながら、趙然は夏筱雨の鼻先に手をかざし、すぐに安堵のため息をついた。

まだ息がある。ったく、びっくりさせやがって!

夏筱雨がまだ反応しないのを見て、趙然は彼女の肩を軽く揺すってみたが、驚くほど熱い体に触れた。滑らかな額に手を当てると、すぐに状況を理解した。

高熱を出しているのに李華にも言わないなんて、この女は本当に頑固だ!

仕方なく、趙然は夏筱雨を近くの病院に連れて行く...