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593話

「他人の妻を抱けるだけじゃなく、その後の責任も取らなくていい上に、大金まで手に入る。

こんな旨い話に出くわすなんて、マジでたまらねえな、刺激的だ!」

「時間がない、お前ら二人は今すぐ別荘へ行って、お互いに慣れておけ」

李華はいらいらと急かし始めた。まるで夏筱雨が彼の心の中では愛する妻ではなく、ただの子孫を残すための道具にすぎないかのようだった。

実際はそうではなかった。李華も少し忍びないと思っていたが、この広大な家業を引き継ぐ者がいなければ、先祖に申し訳ないだけでなく、自分の老後を看取ってくれる人さえいなくなると考えると、もう夏筱雨を見ることもなかった。

彼のこの冷たく無情な態度に、夏筱雨の心...