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544話

バーでの飲酒やダンスも、彼女にとっては発散方法の一つに過ぎなかった。浮気を考えなかったわけではない、ただ適当な相手に出会わなかっただけだ。

しかし今、長い間満たされていない彼女は、若い男に夫の目の前で戯れられ、思いがけない感覚が湧き上がってきた。

こんな状況は想像したこともなかった。そしてこの瞬間、昨夜趙然に強引にキスされた時の感覚を思い出した。あれは、本当に心地よかった。

そんなことを考えながら、ふくらはぎから伝わるあの感覚に、彼女の身体はゆっくりと反応し始め、思わず両足を閉じ、軽く擦り合わせた。

趙然も彼女の表情の微妙な変化を感じ取り、さらに大胆になった。椅子を少し前に寄せると、足...