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520話

原来、彼女はさっき興奮しすぎて、水道の蛇口を誤って自分の中で折ってしまったのだ。痛くて仕方がないが、鄭妍に言うのも恥ずかしい。ましてや嫌いな男がいる状況では尚更だ。

酔っていなければ、こんな愚かなことをするはずがなかった。だが、すでに起きてしまったことだ。彼女にできるのは蛇口を取り出す方法を考えることだけだった。

「うぅ……痛い」夏筱雨は下を見つめたが、ほんの少しだけ見える部分以外は全て中に入り込んでしまっていた。

「やばっ、どうしよう」

彼女は泣きそうになりながら焦っていた。痛みで少し冷静さを取り戻した。

夏筱雨は息を止め、豊かな胸が上下する。痛みで全身に汗が浮かび、眉をひそめた表情...