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362話

「彼女が求めているような良い彼氏になれるとは思えないし、いつかは裏切ることになる。だから今まで彼女に手を出さなかったんだ」

白慧は言葉を聞いて少し黙り込んだ。

「彼女のことが好きじゃないの?」白慧は探るように尋ねた。

「好きじゃないわけじゃない。ただ、誰を好きなのかも分からないんだ。彼女と一緒にいても、自分が思い描いていた恋愛の高揚感がない。普通のカップルみたいで……どう言えばいいんだろう?自分でもうまく説明できないんだ」趙然は首を振った。

白慧は彼の考えを理解できるようだった。

「恋愛に出会っていないから妥協したくないという感じ?」

「そんな感じかな。実は俺、恋愛をあんまり信じていないんだ。...