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359話

実際、彼女たちは何を待っているのかも分からず、頭の中はまだ真っ白だった。これから生活が大きく変わるのを感じていた。

錢志遠が去ったことで、二人とも胸の上から大きな石が取り除かれたような感覚があり、無形の圧迫感が消えていた。

しかし喜べなかった。錢志遠はやはり彼女たちとあれだけの時間を共に過ごしてきたのだから。

人は草木ではない、誰にでも感情がある。彼女たちは生活から脅威は消えたものの、何か奇妙な感覚も生まれていた。

とにかく、それが彼女たちの心を落ち着かせず、ましてや喜ぶなどできるはずもなかった。

趙然が彼女たちのために錢志遠に復讐した時も、実は少しの快感もなかった。あるのはただ麻痺と悲しみ...