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190話

赵然は心の中で悪態をつくと、カギと現金を手に部屋を出た。

だが出てすぐ、背後でドアが施錠される音が聞こえた。男女二人きりでオフィスにいるというのに鍵までかける?

さっきの義母の口調を思い出し、この中で何かが起きているのではと直感した赵然は、ドアの外に立ち、耳をドアに押し当てた。不倫現場を押さえようというわけだ。

間もなく、中から確かに奇妙な声が聞こえてきた。

「あっ……だめ、そこはダメよ」

「ここをいじらなきゃ、どうするんだ?」

「そこを触ったら私、声が出ちゃう。もし我慢できなくて大きな声を出して、誰かに聞かれたらどうするの?」

「声を出したいなら出せばいい。声を出さなきゃ気持ちよくならないだ...