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172話

「わあ、外まで香りが漂ってる。娜姉さんがまた腕を振るってるんだね」尹悦は李娜に冗談めかして言った。

「そうそう、腕を振るいに来たのよ。見るだけにして、食べないでよね」と李娜は返した。

「それは無理。全部平らげちゃうわ。あなたが美味しいもの作るって聞かなかったら帰ってこなかったのに。夜も残業あるのに。あなたがわざわざ来いって言うから来たのよ」尹悦は困ったような顔で言った。

李娜は尋ねた。「え？どうして？」

「明日から工事が始まるから、今夜中に図面を出さないといけなくて。また徹夜になりそう」尹悦は何でもないように言った。

「あなたって本当にお嬢様の命に下女の身体ね。どんな仕事だってできるのに、どう...