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519話

「林浩と一緒に出かけたのは、少しでも二人きりで過ごしたいという気持ちからだった。秦雪は知っていた、県城では林浩の周りに女性が何人もいることを。

普段はほとんど林浩と過ごす時間がない。でも省城に来たとたん、今度は蒋晴に連れて行かれてしまった。少し寂しく感じたが、秦雪にもその事情は理解できた。

秦雪はドアの陰から頭と白い肩を覗かせた。「お兄さん」——これは巴東の浴場で初めて林浩をそう呼んだ時の言葉。今でも秦雪は林浩をそう呼びたかった。

「ああ!」林浩は素早く部屋に入り、一気に秦雪を腕に抱き寄せた。その小さな体を感じながら、特に彼女が何も着ていないことに気づくと、林浩の下半身はたちまち硬くなった...