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410話

「あ、だめ、まだドアが閉まってないわ」李麗は思わず両手で林浩の背中を抱きしめ、小さな手で優しく彼の背中を撫でた。

これは林浩が李麗に教えたことで、大学生のカップルはみんなこうするんだと言っていた。

しかし李麗は貞操観念が非常に強い娘で、自分は洪臣に嫁いだのだから、たとえ洪臣が役立たずでも、自分は洪臣の女だと思っていた。

けれどあの日、河原で林浩と親密になった後、李麗は林浩の身に洪臣にはない雰囲気を感じた。それは純粋な男の匂いで、洪臣とは比べものにならないものだった。

李麗は大学に行ったことがなく、大学生活に強い憧れを持っていたため、無意識のうちに林浩との関係を大学生活の体験だと思い込んでいた。...