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171話

「まったく、二人とも足手まといだな」林浩は自分に多少の武術の心得があると自負していたが、真っ暗で不気味なジャングルの奥深くにたった一人でいると思うと、やはり背筋が少し寒くなった。幸い、今回の探検には道具を十分に持ってきていた。彼はバッグから強力な懐中電灯を取り出し、記憶を頼りに来た道を引き返そうとした。

しかし、三十分ほど歩いても、ジャングルから出ることができなかった。彼の心臓がドキンと鳴った。「まずい、道に迷ったか」

だが、さっきあの怪物を見たとき、ジャングルの縁にいて、あの巨岩からも数十歩ほどの距離だったはずだ。これだけ長く歩いているのに、あの巨岩の影すら見えないのはおかしい。

突然...