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187話

老狗の部下がカラオケルームのドアを閉め、私を部屋の中央へと引きずった。後ろから誰かが蹴りを入れ、私を抱えている二人が力任せに押し下げる。無理やり床に膝をつかされた。

老狗が目の前に座り、にこやかに尋ねた。「お前、一体何を知ってるんだ?」

何を知っているかって?正直言えば、老狗が今やっている胸糞悪い取引のことは全て知っている。彼の趣味の悪さも、これからやろうとしていることさえも。

だが老狗の目には、私はただの高校生でしかない。私がこれほど多くを知っていると想像もできないはずだ。今は冷静にならなければ。慌てるわけにはいかない。ここはバーという公共の場所だ。個室とはいえバーの一部。老狗は私を殴...