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931話

「くっ…」と芊芊が呻き、私の腰に何かが挟まれるのを感じた。芊芊の脚だろう。

男性のフェロモンが漂い、芊芊も同じように感じているのだろう。

私はゴクゴクと飲みながら、芊芊と共にこの荒唐無稽な状況に溺れていった。

突然、トイレのドアノブが動く音がした。

「あなた、あなたどこ?私どの部屋で寝ればいいの?」馬姉さんの少し朦朧とした声が聞こえ、私が反応する間もなく、芊芊は急に力を入れて私を押しのけた。

考えもしなかったが、芊芊のような華奢な女性にこれほどの力があるとは。

「早く出てって!」

芊芊は私がまだ呆然としているのを見て、胸を押さえながら私の胸を蹴り、早く出て行って人を止めるよう急か...