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805話

「燕さんはそんなに激しいの、誰だって心が動かされるよね?」私は椅子に座り、恥ずかしさに背筋をピンと伸ばして言った。

「見たの?」

「いいえ、聞こえただけ」私は平然と答えた。「上着が床に落ちる音と、スカートがテーブルに掛けられる擦れる音は違うんです。ストッキングがカゴに投げ入れられる感触も聞き分けられます」

真面目な顔で適当なことを言ってみる。

「ふん、少しは腕があるじゃない」燕芬芬は鼻で笑い、まるで本当のことのように受け取った。

「そこに座っていなさい。何かあったら呼ぶから」

まだ何かあるの?

半透明のガラスドアを見ると、ほぼ透けて見える桃色の突起が目に入った。

私の小さな心臓...