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715話

「運がいいわね」

葉紫はお尻を揺らしながら歩み寄り、艶めかしく水を一杯注いだ。

振り返ると、彼女は私の顔の前まで来て、その香りが私の顔にかすかに漂った。「さあ、飲んで」

私は自分が盲人であることを思い出し、慌てて手を伸ばして探りながら言った。「どこに、どこに水があるか教えてくれないと」

手を前に伸ばすと、葉紫は背が高いため、私の手はちょうど彼女の胸の下あたりに触れてしまった。

「あんたね!図々しくないようで実は図々しい、でも本当に大胆なようで実は臆病なのね」

葉紫は不機嫌そうに私の手を掴み、水の入ったコップを握らせた。

「だからこそ姉さんは俺を頼るんだよな」私はご機嫌取りのように言い、そして水...