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667話

「うん、いいよ、ありがとう、雪梨」と私は笑顔で言った。

「王先生、そんなに気を遣わないでください。仕事が遅くならなくて良かったです」と雪梨は謙虚に答えた。

「大丈夫だよ、こっちに来てくれ」と私は端的に言った。

「はい」雪梨はそのまま電話を切った。

切れた電話を見つめながら、思わず胸が高鳴った。まさかこんなにうまくいくとは。これからどうなるのか、本当に想像もつかない。

まさか私、王おじさんが晩年にこんな機会に恵まれるとは。

携帯を見ると、校長はあと20分くらいかかりそうだ。浴場でしばらく待ってから行くこともできるが、今はもう待ちきれない気持ちだった。

服を着て学校の門へと向かった。...