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655話

この二日間、雪梨からも連絡はなかった。明日、電話をかけて様子を聞いてみようか。

だが思いがけないことに、そう考えた瞬間、見知らぬ番号から電話がかかってきた。私は少し戸惑いながら、誰が電話をよこすのだろうと考えた。

もしかして小剣か?小剣のことを思うと、急に胸が高鳴り、慌てて通話ボタンを押した。すると、すぐに甘ったるい女性の声が聞こえてきた。「王先生ですか?」

この声は、どこかで聞いたことがあるような気がするが、誰だか思い出せない。「どちら様ですか?」と私は尋ねた。

「王先生、温琪です」と女性は言った。

温琪だと聞いて、私は一瞬固まってしまい、驚いて言った。「どうして私に電話をかけてきたんですか...