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652話

階段を上がって中へ進み、趙婷婷がいる階に着いた。

趙婷婷が「王おじさん」と声をかけてきたので、私は頷いて「小剣はいるか?」と尋ねた。

「うん、いるよ。部屋の中にいるわ」と彼女が言うや否や、私は急いで中へ入った。

案の定、中は外と同じくボロボロだった。部屋の椅子に座る小劉が目に入った。彼は趙婷婷のスマホを使って仕事を探しているところだった。

私が来たのを見ると、彼は慌てて立ち上がり、興奮した様子で「王おじさん、来てくれたんですね!」と言った。

私は頷いて「ああ、なんでこんな酷いところに住んでるんだ?」と尋ねた。

小劉は顔を赤らめ「王おじさん、ここは悪くないんです。少し古いですけど、とても静かなと...