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623話

その時、林清雅が口を開いた。「王おじさん、中に入って何か飲みましょうよ」

顔を上げると、前に行ったあのバーが見えた。なんという偶然だろう。特に深く考えずに、私は頷いて言った。「うん、入ろうか」

林清雅は「うん」と返し、私たちは一緒に中に入った。

ちょうどバーが賑わい始める時間帯で、すでに大勢の人で溢れかえっていた。

窓際の席を選んだところ、ウェイターが近づいてきて微笑みながら言った。「お二人様、何にいたしましょうか?」

「ブルーローズを二つ頼むよ」と私が言った。

言い終わって林清雅の方を見ると、彼女は頷いたので、ウェイターに言った。「うん、それだけ。他に必要なものがあったらまた呼ぶ...