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622話

「今夜、ちょっと出かけたいんだけど、一緒に付き合ってくれる?」林清雅の顔に喜びの表情が浮かんだ。

「もちろんだよ」私はすぐに頷いた。

「ありがとう、王おじさん。後で迎えに行くね」林清雅は嬉しそうに言うと、くるりと向きを変えて戻っていった。

私は階段に腰掛け、煙草を吸いながら時間を過ごした。昼食を終えると、また作業に戻った。

午後五時頃、ようやく仕事が終わった。夜に林清雅と街へ出かける約束があるから、遅れないよう急いで片付けたのだ。

大きく息を吐く。今でも体力は十分あるが、さすがに年には勝てない。急いで作業したせいか、少し疲れが出ていた。

疲れを感じながら階段に座り、煙草を吸いつつ考...