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592話

目が覚めたら、もう昼だった。朝に浴場に着いたとき、目を閉じた瞬間に眠りに落ちてしまった。一晩中奔走したせいで、本当に疲れていたんだ。

でも、昨日の苦労は報われた。目覚めて最初にしたことは、ポケットから五百万入りのカードを取り出すことだった。

黒光りするカードを見つめながら、思わず笑みがこぼれる。さっきまで、あれは夢だったんじゃないかと心配していたくらいだ。

起き上がって簡単に身支度を整えると、すぐに学校のATMへ向かった。

ATMの前に立ち、深呼吸をしてからカードを挿入し、秦天命が教えてくれた暗証番号を押した。

今は学生たちが食事中で、ここに来る学生はあまり多くない。今の私の周りにも...