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370話

私はそわそわしながら座り、周暁暁が出てくるのを待ち、彼女にお礼を言おうとしていた。

約二分後、周暁暁は慌てた様子で出てきた。目には涙を浮かべている。私は彼女を見るなり急いで立ち上がり、謝ろうとした。

しかし周暁暁は顔中に委屈の色を浮かべ、私を見るなり一目散に走り去ってしまった。

私はため息をついたが、自分が無事だったことを思うと、途端に胸が高鳴った。浴場の入り口を見つめ、さっき入っていったあの女の子を覗きたい衝動に駆られた。彼女が邪魔をしたのだから、覗き見して元を取らなければ。

だが考え直してみれば、この子は周暁暁ではない。もし見つかれば、きっと全てを話すだろう。少し考えて、やはり諦め...