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209話

心の中では少し残念に思った。彼女が引っかからなかったなんて。仕方なく第二の策略に移る。傷口を拭きながら、時折息を鋭く吸い込み、宋可欣の心配そうな視線を引き寄せた。

彼女はしばらく躊躇ってから、ようやく歯を食いしばって言った。「王おじさん、やっぱり私が手伝いましょうか?」

「それはいけないよ」

「大丈夫です。おじさんは私が尊敬する人ですから、お手伝いするのは当然です」

宋可欣がここまで言ってくれたのだから、断るわけにもいかない。

だが、私は極めて葛藤するような表情を浮かべた。そうしなければ目の前の宋可欣に疑われてしまうからだ。同時に、私の手から綿棒が宋可欣に取られた。彼女の頬はわずかに...