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1676話

「蔡三……蔡三が木曜の夜、埠頭の十五番倉庫で白い粉を売り始めるんだ!」

彼は言葉を切れ切れに吐き出した。私の目に宿った衝撃に気づきもしなかった。

「本当なのか?その情報、確かなのか?」私は半信半疑で彼に尋ねた。

「確かじゃなかったら、こんなこと言うわけないだろ。そんな度胸があるか俺に」

彼はまた自分でコップに水を注ぎ、本当に喉が渇いていたのだろう。その一杯をゴクゴクと、あっという間に飲み干した。

くそっ。

あいつがまさか白い粉に手を出すとは、とんでもない。

だが証拠はある。後は彼の正体を暴く者が必要なだけだ。

「もう行け」

情報を得た私は、再び手を振って彼を追い払った。

蔡三、こいつの図太さは...