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1660話

「言っておくけど、私は大きな賞も取ったことがある一流の美容師なのよ。国内でどれだけの人が私に美容を頼みたくても頼めないか。私はただマリーナさんのためだけに美容をしてあげているの!」

彼の話し声は甲高くか細く、まるで中国の宦官のようだった。それに加えて立てた小指のしぐさときたら、まさに神がかり的な絶妙な組み合わせだ。

「普通に話せないのか?そんな話し方されると飯が不味くなるんだが、分かってるのか?」

私は思わず二歩後ずさり、この奇妙な男と一定の安全距離を保った。

「マリーナさぁん、この人、どうしてこんな失礼なことを言うんですかぁ?」

彼の甘えるような口調を聞いて、私は思わず鳥肌が立った。

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