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1648話

私はずっと道中で考えていた。先ほどの二人の会話の調子からすると、明らかに初めての対話ではない。

ただ、あいつはあまりにも人を侮り過ぎている!

限りない怒りが火山の噴火のように私を飲み込み、もはや理性などという言葉は頭にない。今すぐあいつの前に駆けつけて、八つ裂きにしてやりたい衝動に駆られていた。

だが、それはできない。万全の策なしに向かえば、ただ草を刈って蛇を驚かすだけだ。そうなればあいつに準備する時間を与えてしまう。

そう思った瞬間、頭の中である人物の名前が浮かんだ。

蕭茵!

あいつの口から何か有用な情報を引き出せるかもしれない。どうせ事態はここまで来てしまったのだから、藁にもすがる思いで試...