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1626話

ドン!

鈍い音がした後。

二人の大柄な男が、何の前触れもなく地面に倒れ込んだ。後頭部から地面に叩きつけられ、かなりの衝撃だったに違いない。

私は二人の体を大きな木の傍まで引きずって置くと、ゆっくりと歩き始めた。

数歩も進まないうちに、怪しげな人影が目に留まった。

油断はできない。物音一つ立てずにその後を追った。

その男はオレンジ色の安全ヘルメットをかぶり、青いジャケットを着ていた。一目見ただけで作業中の人間だとわかる。

この場所で働いている人間といえば、密輸取引に関わっているに違いない。

案の定、数歩も行かないうちに、その男は曲がり角で別の男とばったり出くわした。

相手の男は慌てた様子で、きょ...