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1617話

三階には複数の部屋があり、その中で最も目を引くのは応接室だった。少女が応接室を指さしながら私に言った。「お客様、こちらでお待ちください。社長に取り次いでまいります」

私は頷きながら微笑んで答えた。「わかりました。どうぞ」

すると、少女は軽く頷くと、応接室の隣の部屋へと歩み寄っていった。彼女の優美な姿を見つめながら、私の脳裏にはソフィアの艶やかな姿が浮かんだ。あの連中に邪魔されなければ、今頃は用事も済んでいたはずなのに。

しばらくして、少女が足早に戻ってきて私に言った。「申し訳ございません。社長がお客様とお会いしておりまして、少々お待ちいただけますでしょうか」

その言葉を聞いて、私は少し...