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97話

その時は五時三十分だった。特に鮮明に覚えている。小猴が私のオフィスに来て、二番目の面接者が到着したと告げた。ちょうどその頃、私はあるローカルサイトで周辺ショッピングモールの店舗賃料や譲渡費用の金額を調べ、それらのデータを表に記録していた。後々、我々が賃料価格を設定する際の参考にするためだ。五時三十分という時間に面接に来るなんて、通常ならもう退社する時間だ。誰が面接に来たのかまだ見てもいないのに、私はすでにその人に対して否定的な感情を抱いていた。小猴に面接者をしばらく待たせるよう、今は忙しいと軽く告げた。

小猴は面接者が男性か女性か、どんな外見なのかは何も言わなかった。私はおよそ1時間ほど作業...