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53話

私が返信していないのを見て、巴掌は目の前で手を振り、「どうしたの?呆けちゃった?」と尋ねてきた。

「別に」私は小声で麺をすすり、巴掌に言った。「ちょっと急に何かが分かった気がしただけだ。とりあえず食べよう」

巴掌は食い下がるように聞いてきた。「何が分かったの?教えてよ。明日の双色球の当選番号でも分かったの?それとも大楽透?」

私は上の空で適当に答えた。「2.9.11.14.22.41、青い玉は16。買ってみたら」

「おいおい」巴掌は私を見て言った。「双色球の赤い玉に41番なんてあるわけないだろ」

実は私はほとんど宝くじなど買わないし、双色球の赤い玉が何個あるのかさえ全く知らない。自分...