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47話

「絶対にありえない」私は自信満々にエミに言った。「うちは貧乏だから、家宝なんてあるわけないよ。あったとしても父親が賭け事で負けて売り払ってるさ」

「もしかしたら、あなたが知らないだけで、お金にはならなくても、何か意味のあるものがあるかもしれないわよ?」

「それもないと思うけど」私がエミと話しながら店の中に入ると、卓嵐は機嫌が良さそうで尋ねてきた。「エミをトイレに連れて行くだけなのに、わざわざ車で逃げ出す必要あった?」

「ホテルに戻っただけさ。お前と母さんに話す機会を作ってあげたんだよ」私は特に好奇心を抱いて聞いた。「母さんと何を話したの?ちょっと教えてよ」

「イヤよ」卓嵐は少女のような...