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42話

「卓嵐のために串焼きを何本か焼いてあげた。炭火で焼いたやつだ。肉は午後に市場で買ってきて、自分で下味をつけて切り分けて竹串に刺したんだ。自分の腕には絶対の自信がある。うちの串焼きをやめられなくて何度も来る常連さんもたくさんいるし、卓嵐もきっとこの味に惚れるはずだ。

母さんは赤いテントの中で綺麗な女の子が僕と一緒に肉を焼いているのを見て、少し不思議そうに尋ねてきた。「秋寒、どうしてお友達を中に通さないの?」

僕が説明する前に、卓嵐が先に口を開いた。「おばさん、ここで少し座っているだけで大丈夫です。秋寒とおしゃべりするだけですから」

僕も母さんに言った。「自分のことやっていていいよ。今はお客...