今夜、君は誰を忘れる

32話

「卓嵐って誰？」夕顔の反応は尋常ではなく、その口調には不満が滲み、敵意さえ感じられた。

エミはトレイを持ちながら夕顔を見て、それから私を見た。私は非常に困った表情で軽くため息をついて言った。「ミ姉さん、座ってよ。本当は心配させたくなかったんだけど、確かに最後の選択をしたんだ。卒業証書はなくてもいいけど、人として良心は捨てられないからね」

エミはビールとオレンジジュースをテーブルに置くと、夕顔の同意など気にせず別の椅子に腰掛け、心配そうに尋ねた。「もう挽回の余地はないの？」

「ないよ」私はエミに言った。「今日はメディア学部の主任まで罵ったよ。すっきりした。こんな選択をしても後悔はないさ」

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