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318話

木の人形のように歩いて、蘇羽冰の部屋の前に立った瞬間、妙な空虚感が襲ってきた。ベッドの上には荷物がまだ置かれたままで、あのぬいぐるみの犬もそこにいた。以前、羽冰はそのぬいぐるみを指差して私を呪っていたっけ。もし私が彼女を怒らせたら、このぬいぐるみのようになるぞと。今は彼女がいなくなって、このぬいぐるみすら持っていく気がなかったのか?

私は彼女のベッドの端に座り、そのぬいぐるみを抱き上げた。ぬいぐるみの頭を撫でながら、まるで本物かのように話しかけた。「ほら見ろよ、こんなにブサイクなお前を、飼い主は見捨てちゃったんだな。ここに置き去りにされて、友達もいないだろ?寂しいか?俺はお前よりマシさ、俺に...