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223話

「夕顔の寝室。

ベッドの上に一つのギフトボックスが置いてあった。とても大きな箱で、ケーキを入れる箱のような形をしている。これが夕顔が私に残したすべてだとわかっていた。ベッドの横に跪いて、長い間そのギフトボックスを見つめていた。ようやく勇気を出して開けると、中からいくつかのぬいぐるみがこぼれ落ちた。そう、ぬいぐるみだ。あのクレーンゲームで取れるような種類のぬいぐるみ。学校の裏門の通りで夕顔と一緒に取ったものだ。まさかこんな小さなものが、夕顔が別れ際に「大切なもの」と呼んでいたものだったとは。

ぬいぐるみの他に一通の手紙もあった。手紙の紙はしわくちゃで、涙の跡が乾いた痕が残っている。震える手...