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21話

「私はどこに行ってたかなんて、お前に関係ねーだろ?」僕はパソコンを背負いながら、玄関の靴箱で靴を履き替えつつ、なにげなく言った。

ソファに丸くなっていた蘇羽氷が僕を睨みつけた。部屋へ向かう途中、彼女の前を通りかかると、彼女の隣に一冊の本が置いてあるのが見えた。中には漢字が一つもなく、すべて英語だった。

「何見てんの?」蘇羽氷の口調は、まるで僕と喧嘩をするつもりのようだった。「あんた、読めるの?」

「読めないよ」僕は正直に答えた。学生時代の成績が超絶に悪かったからだ。英語の本どころか、街でよく見かける英単語だって、WCとMcDonaldのMの意味以外は何も分からない。でも蘇羽氷の皮肉に、僕...