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176話

「心配していないと言えば嘘になるだろう。前回の会合で、卓嵐はLEDディスプレイのことで蘇羽氷に広告会社を譲るよう迫ってきたんだ。今度は何をしようとしているんだろう?卓嵐に対しては、もう本当に手も足も出ない。彼女と言い争いたくない。すぐに涙を流すから、対応に困るんだ。ちなみに、蘇羽氷と喧嘩したら彼女は絶対に泣かない。むしろ僕が泣かされるだろうね!」

深く息を吸い込んで、卓嵐に言った。「その件はひとまず置いておいて、別の件で承認してほしいことがあるんだ」

「どうぞ」その話題から離れると、卓嵐の表情もだいぶ和らいだ。口元を少し上げながら尋ねた。「何の話をしたいの?」

僕は静かに言った。「数日後...