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165話

会社に戻ったのは午後三時半頃だった。営業部のオフィススペースには誰一人おらず、妙に静まり返っていた。一体みんなどこへ行ったのだろう?自分のオフィスに戻ろうとしたところで、卓嵐のアシスタントに呼び止められ、卓嵐のオフィスに来るよう言われた。私が入ってくるのを見て、卓嵐は微笑みながら言った。「早かったわね。会社の近くにいたの?」

「テレビ局から出てきたところさ。会議があるって言うから、すぐに戻ってきたんだ。ちょっと待ってて」私は携帯を取り出しながら卓嵐に言った。「うちの営業部の人間がみんな姿を消してるんだけど、小猴に電話して状況を確認してみるよ」

「会議室よ」卓嵐が言った。「直接会議室に行きま...